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炭酸ガスによる美容効果のメカニズム その2

2. 炭酸ガスが組織中酸素を運ぶメカニズム

A. ヘモグロビンが酸素を運ぶ ......... その1で詳しく解説しています。
B. 二酸化炭素がヘモグロビンから酸素を追い出す

赤血球内のヘモグロビンに結合して運ばれた酸素は通常、組織細胞の呼吸(酸素を使ってエネルギーを生み出し、いろんな細胞活動を行い、二酸化炭素を排泄する)によって発生した二酸化炭素によって放出されます。

これをさらに詳しくみてゆきましょう。細胞が活動を行った結果吐き出した二酸化炭素は血液に溶けます。酸素と比べて約20倍多く溶けます。二酸化炭素は赤血球に吸収されると、水と反応して炭酸H2CO3を生成します。

CO2+H2O⇔H2CO3 (1)

通常この反応は遅く、炭酸はあまりたくさんできません。ところが、赤血球の中には炭酸脱水酵素 carbonic anhydrase という酵素がたくさんあり、反応(1)を促進します。

carbonic anhydrase (CA)
↓
CO2+H2O──→H2CO3

生成した炭酸は、水素イオンH+ を放出して重炭酸イオンHCO3になります。

H2CO3⇔H++HCO3- (2)

ヘモグロビンは元来弱い酸性を示しますが、少し酸性度が上がっても、その増加を少なくする(緩衝作用)があります。それによって、水素イオンH+はオキシヘモグロビンにより取り除かれます。水素イオンが酸素の結合したオキシヘモグロビンに結合するということは、オキシヘモグロビンが還元されるわけですから、デオキシヘモグロビンとなって酸素を放出します。この酸素が、細胞の活動に利用されます。これが、二酸化炭素によってヘモグロビンから酸素が放出される一つのルートです。

もう一つのルートは、赤血球内に取り込まれた二酸化炭素が、直接オキシヘモグロビンの酸素と入れ替わって鉄原子に結合し、酸素を追い出すために、酸素が放出されるものです。
つまり、二酸化炭素濃度の高いところでは、赤血球はより多くの酸素を放出するわけです。活動が活発な組織では二酸化炭素がより多く発生し、活動に必要なさらに多くの酸素供給が行われる、非常に巧みな生命の仕組みです。

このように、赤血球による細胞への酸素の供給は、主に二酸化炭素がコントロールしています。端的に言うと、二酸化炭素なしでは、ヘモグロビンは酸素が結合したままになり、細胞は酸素を受け取れません。二酸化炭素は、細胞の活動の結果出てくる老廃物のように思われますが、実は体の中でこのように非常に重要な役割を果たしているのです。

赤血球による細胞への酸素の供給は、主に二酸化炭素がコントロール

 

C. 体内の酸素を積極的に利用する

ヘモグロビンが酸素を放出する割合は、血液の条件によって変化します。すなわち、下記の条件によりヘモグロビンは酸素を放出しやすくなります。

[ 1 ] 血液のpHが低くなる=酸性に傾く
[ 2 ] 血液中の二酸化炭素分圧(濃度と考えてもいいでしょう)が上昇する←実はpHが低くなるのと同じ
[ 3 ] 血液温が上昇する

炭酸ガスパックにより、条件①、②は達成されますが、ジェルの温度は二酸化炭素の発生に伴い低下するため、条件③は逆に酸素放出効率を下げる方向に作用します。炭酸ガスパックにより、ヘモグロビンから放出される酸素の割合は、これらの効果が総合された結果で決まります。パックの最初の数分間は皮膚が冷たく感じますが、二酸化炭素の血管拡張作用により、皮膚血流量が増えます。その結果、人によっては温かく感じたり、あるいは熱く感じたりします。

ヘモグロビンの酸素飽和度と酸素分圧の関係を示した曲線を、ヘモグロビンの酸素飽和曲線あるいは酸素解離曲線といいます(これに関してさらに詳しいことを知りたい場合は、酸素解離曲線を扱った他のHPをご覧ください)。血液中の二酸化炭素濃度が上昇する、あるいは血液のpHが低下する、などによりヘモグロビンが酸素を離しやすくなる現象をボーア効果Bohr effectといいます。活動の盛んな組織ほど二酸化炭素の産生量が多く、二酸化炭素の産生量の多い組織にある赤血球ほど酸素を離しやすいという、実に合理的な仕組みで組織に酸素が供給されているのです。

当社はこの原理に従い、皮膚組織中の二酸化炭素濃度を上げ、赤血球の中に入り、ヘモグロビンから放出される酸素量を増やすことを目的として炭酸ガスパックの製剤設計を行っています。


     ※ 本コラムの内容は特定の商品の効果効能・安全性を保証するものではありません。

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