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研究開発テーマ

当社では、傷痕を残さない傷の治療法「スカーレス・ヒーリング」の開発を最終目標に、大学医学部との連携の下に、基礎研究も行いながら、様々な技術開発に取り組んでいます。

炭酸ガス療法

 炭酸ガスを皮膚から吸収させることで、「人工ボーア効果」を発生させ、赤血球から放出される酸素を増やします。細胞が利用できる酸素を大幅に増やし、難治性皮膚潰瘍の治療に応用されたり(中村裕司ら、閉塞性動脈硬化症による下腿潰瘍に対する炭酸ガス経皮吸収剤の使用経験、第50回日本透析医学会学術集会、2005年6月)、レーザー照射後の組織再生促進に使用されたりして(植村冨美子・田中雅也、炭酸ガスパックの使用経験、第51回日本形成外科学会総会学術集会、2008年4月)、炭酸ガス療法の有効性と安全性が認知されつつあります。
 また、神戸大学医学部との共同研究により、炭酸ガスの経皮吸収によって筋力が増強され、筋肉の重量が増えることを発見しました。共同国際特許出願を行い、筋力増強方法の実用化に向けて開発に取り組んでいます。これが実現すれば、長期臥床などで筋力が衰えた患者の社会復帰に向けたリハビリが効率的に行えたり、寝たきり患者の活動性を上げたり、さらにはスポーツ選手の運動能力を上げたりすることが可能になると期待されます。
 筋力増強作用と関連しますが、炭酸ガスの経皮吸収による疲労回復促進作用も発見し、これも実用化に向けて研究開発を進めています。

 炭酸ガス療法の有効性の根拠は、主にボーア効果にあると考えられますが、実は1904年にボーア効果が発見されて以来、実際に人体内でそれが起こることは証明されていませんでした。発見から100年を過ぎて、ついに当社と神戸大学医学部整形外科(黒坂昌弘教授、三輪雅彦助教)の共同研究チームが、炭酸ガスの経皮吸収によって、人体でボーア効果が起こることを実証しました(酒井良忠・田中雅也 他、生体内における炭酸ガス経皮吸収によるBohr効果の証明、第46回日本リハビリテーション医学会学術集会、2009年6月)。ボーア効果は動物の進化を大きく促進した可能性があり、今後は炭酸ガス療法の基礎研究を通じ、進化の謎の解明にも取り組んで行きたいと考えています。

 美容面では、小顔やアンチエージングなどのユニークな効果を確認しています。人工ボーア効果により、細胞内でミトコンドリアによる有酸素代謝が活発になることで、脂肪代謝が促進され、さらに活性酸素が抑制されることが理論的に予想されるため、今後その実証に取り組んで行く予定です。特に、小顔効果と頬などのリフトアップ効果に関しては、脂肪代謝促進だけでなく、筋力増強効果にも関係しているのではないかと予想しています。すなわち、顔の筋力増強により、たるんだ頬や顎のリフトアップができる、というアンチエージング効果実現の可能性を研究中です。

 

経皮吸収

 スカーレス・ヒーリングは体の痛みだけでなく、心の痛みも取り除くことを目標にした治療法です。注射に怖さを感じ、痛い思いをして体内に入れなければ、効果が得られない薬物がたくさんあります。経皮吸収技術は、これらをなくした、患者に優しい治療技術としても注目されます。
 従来の経皮吸収技術が、皮膚のバリア機能を低下させることによって、薬物の経皮吸収を実現するのに対し、当社では、皮膚のバリア機能を逆に強化する経皮吸収技術の開発を目指しています。すでに、インスリンよりも分子量の大きい、水溶性薬物である人工遺伝子の経皮吸収に成功しました。熱力学的DDS(Drug Delivery System)は、従来の経皮吸収技術が苦手とする、水に溶けやすい薬物の経皮吸収が可能という点で、ユニークな技術であるだけでなく、基剤であるP-P ComplexTMが、保湿剤として使用できる、すなわち、従来の経皮吸収技術とは正反対の、皮膚のバリア機能を強化する働きが期待され、実際に保湿美容液として応用し、好評を得ています。
 医薬品への応用は、まだ先の研究開発テーマとなりますが、肌を荒らすことなく、むしろきれいにしつつ、病気を治す。そんな理想的な外用剤を実現したいと考えています。

 

創傷治療関連分野

モイスト・ヒーリング

 傷は「消毒し」、「ガーゼを当て」、「できるだけ乾かし」、「ガーゼをはがして再度消毒し」「またガーゼを当てる」の繰り返しが常識のように行われていますが、これは科学的根拠がなく、傷の治りを遅らせ、傷跡を残しやすい、間違った方法です。「傷を湿らせて治す(モイスト・ヒーリング)」正しい創傷治療の詳しい内容については、新しい創傷治療のホームページをごらんください。当社では、正しい傷の治療方法が抵抗なく受け入れられるような、使いやすい創傷治療剤(材)の開発を通して、モイスト・ヒーリングの普及を目指します。

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